さて、今度は「好きな評論」である。
論とはなんぞや、と感じるかもしれないが、文字通りだ。
現代文に出てきそうな文章、といえばわかりやすいだろうか。
わたしは好きな評論が2つある。
ひとつは大いに真面目なのだが、もうひとつは本当にしょうもない。
これは前半はちょっと真面目で、後半はおおいにふざけた記事になるだろう。
「好きな評論は、分人論とションベリータ理論です。」
分人論は、平野啓一郎さん著の「私とは何か――「個人」から「分人へ」」という本に載っている。
初めて読んだのは高校生の時、塾の現代文の授業での問題演習だった。
分人論↓
ざっくり言ってしまえば、
「本当の自分なんてものは存在しなくて、みんな状況に合わせていろんな『自分』を使い分けている」
といったものである。
よくSNSにいる、
「本当の自分が出せなくて辛い…」
といった方々にぜひ読んでいただきたい。
たぶん、ないよ。本当の自分。
かねてよりそのような人々にもやもやと疑念を抱いていたのだが、この論がその疑念を言い表してくれた。
そういう人が言う、本当の自分って結局なに?
「本当の自分」と思っているものもまた、たくさんある「自分」のひとつの側面にすぎないんじゃない?
そうやっていうことで自己陶酔してない?
というわけで、わたしは分人論が大好きだしとても同意する。
さて、続いてはションベリータ理論だ。
これはかつて紹介したわたしの過去作だ。
ションベリータ理論↓
sasakama-cornedbeef.hatenablog.com
たしかにくだらない。
しかし評価すべき点もたくさんあるだろう。
この発想力。
着眼点。
定義から始まり、仕組みの解説や実験の詳細などを述べ、考察で終わるというレポート(?)としての完成度。
Wordを使いこなす能力。
これを中学三年生が作り上げたということを考慮してほしい。
かなり秀逸な作品ではないだろうか?
自画自賛ではあるが、これは賞賛に値すると思っている。
くだらないことを真剣に追求する、その姿勢を忘れずにいたい。