季節が冬なので、鍋の話でもしよう。
料理道具の鍋ではなく、料理の鍋だ。
わたしが今住んでいるあたりは寒い地方なので、鍋が欠かせない。
友人と鍋を食べながらゆっくり語らう、これぞ至福のとき。
しゃぶしゃぶやすき焼きなど様々なジャンルがあるが、どれもそれぞれの魅力がある。
しかしそれと同時に、鍋をするたびに思うこともある。
豆腐や白菜の葉っぱは果たしてどこへいってしまうのだろうか?
鍋からあふれんばかりの量を入れたはずだ。
なのにすくってもすくっても見つからない。
茹でるとかさが減るのはわかっている。
わかってはいるが、さすがに納得できない。
わたしは、自分が食べるために豆腐と白菜を買ったのであり鍋に食べさせるために買ったわけではない。
特に白菜はわたしが好きな数少ない野菜なのである。
せっかく食べる気になってたくさん買ってきたのに、そのうちのかなりが消えてしまう。
まるで累進課税制度のようである。
入れた白菜と豆腐の量にかかわらず、同じ割合で消えていく。
きっとよく見れば肉などの他の食材に絡みついていたりするのだろう。
しかし、実質消えたようなものだ。
鍋は大変好きなのだが、それが唯一の不満である。