まぁ「好きな作家」はよく聞かれるが、どうしてもこれは語りたかったのでわざわざ「エッセイスト」に変えてシリーズに入れてみた。
今回は、いつもに比べたらネタ要素はすくないかもしれない。
わたしが愛する世界観の魅力を伝えたい。
清少納言については、古典作品編で語ったので割愛させていただく。
わたしはさくらももこさんのエッセイが大好きだ。
ちびまる子ちゃんのマンガも好きだったが、それ以上にエッセイが好きだったのだ。
わたしの脳みその中で考えたり感じているものたちは、日本語と互換性がないため魅力をうまく表すことができないのがもどかしい。
あんなに自分の身近に起こったことや思い出などを面白く、シュールに、テンポよく書き連ねられるなんて。
さくらももこさんの身近に面白いことが起こっているのではなく、さくらももこさんが自分の周りの出来事をうまく捉えてユーモラスに表現できているのだ。
時折現れる挿絵は、そのシュールさを助長する。
本当に面白いとかユーモラスとかシュールなんてありがちな言葉では語りきれないのだ。
初めてわたしがさくらももこさんのエッセイに出会ったのは小学校高学年の頃。
当時は本の虫で、図書館で本を借りまくり1ヶ月60冊は読んでいた。
そこまで本が大好きだったわたしは、当時通ってた習い事の教室にあった本棚の本も読ませてもらっていた。
まだレッスンをやっている最中なのに本を読みふけっては怒られていたことを覚えている。
初めはハリーポッターを読んでいたのだが、すでに内容を知っていたのでどうにもつまらなかった。
そんなわたしに先生が渡したのがさくらももこさんの「もものかんづめ」だった。
わたしはすぐにその世界観、文体、雰囲気、全てに魅了された。
親が迎えに来ても帰ろうとしない。
見かねた先生は次回返すことを条件に、家に持ち帰ることを許してくれた。
そしてもものかんづめを読み終え、ほかにもエッセイがあるのを知ったわたしはそれらを図書館で探し出し、休日返上で読みふけった。
それ以来、わたしの好きなエッセイストはさくらももこさんなのである。
亡くなったと聞いた時は、血の気が引いた。
わたしが惚れ込んだあの世界観は、もう新たな作品を生み出すことはない。
悲しいよりも喪失感のような何かに襲われた。
国民的アニメ、ちびまる子ちゃんの生みの親として有名なさくらももこさん。
わたしにとってはそれ以上に、天才的エッセイストなのだ。
いつかあのような魅力を持つ文章を書けるようになりたいと思う。
あの文体で書けるようになりたいわけではない、あれはさくらももこさんのものである。
あんな魅力を持った、わたしが感じたような気持ちを誰かが感じてくれるような、そんな文章がいつか書けたらいいなぁ。
わたしはそういう気持ちで文章を書いている。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。